鉱山株<.FTNMX1770>も下落し、FT100種総合株価指数を2.2ポイント押し下げた。中国共産党がこの日に閉幕した第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で示した今後10年間の改革案が資源需要の減退につながるとの懸念が台頭し、金属価格が下落したことで、鉱山株に売りが出た。
製薬大手のグラクソ・スミスクライン<GSK.L>は0.8%安。心臓疾患の治療薬候補が臨床試験で好成績をあげられなかったことが嫌気された。
一方、携帯電話事業者のボーダフォン・グループ<VOD.L>は1.7%高。相場を下支えした。前日にサッカー「欧州チャンピオンズリーグ」の放映権を取得できなかったことで売られた衛星放送大手BスカイB<BSY.L>は1.3%高と反発した。
欧州株式市場は反落。さえない決算が重しとなった。弱い業績見通しを嫌気しインフィニオン<IFXGn.DE>が下落した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は7.60ポイント(0.59%)安の1290.92。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は18.15ポイント(0.59%)安の3034.68。
インフィニオン<IFXGn.DE>は5.6%安。第4・四半期決算を発表し、第1・四半期の売上高が減少するとの見通しを示した。
10月の米雇用統計が予想を上回り同国経済の堅調な回復が裏付けられたことを受けて、市場では連邦準備理事会(FRB)の量的緩和早期縮小観測が高まっている。
ただ、9月の経済協力開発機構(OECD)加盟33カ国の景気先行指数(CLI)がユーロ圏経済の回復を背景に前月から上昇するなど心強い兆しが増えるなか、一部アナリストの間では、株式には依然上値余地があるとの見方が出ている。
ユニオン・バンケール・プリヴェの汎欧州株式部門共同責任者、ロブ・ジョーンズ氏は「欧州経済には改善の兆しが出始めているとみている。この回復が来年も株価を押し上げると信じている」と話した。
<ユーロ圏債券> ギリシャ国債利回りが急上昇。ドイツの保守系与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)が進める連立協議で、欧州連合(EU)への新規加盟などの重要問題に関し、国民投票の実施を求める案が浮上したことが圧迫材料となった。
この提案はEUレベルでドイツが資金を拠出するケースやドイツからEUへの重要権限の移管などを想定しており、仮に国民投票の実施が認められればドイツ政府の危機対応能力が著しく阻害される恐れがあるほか、ギリシャなど支援に頼る国にも影響が及ぶことが予想される。
コメルツ銀の金利ストラテジスト、デービッド・シュノーツ氏は「域内の支援制度の整備を遅らせるような動きは何であれ、関係諸国の国債に対して一定の価格調整をもたらすだろう」と述べた。
メルケル首相は国民投票について従来から否定的な立場を示しており、今回の提案も受け入れない公算が大きいが、仮に実施が認められれば政策の大転換となる。
10年物のギリシャ国債利回りが43ベーシスポイント(bp)上昇し8.58%。今月初旬時点では7.94%と、債務再編が行われた2012年3月以来の低水準をつけていた。他のギリシャ国債利回りも上昇した。
10年物のポルトガル国債利回りが8bp上昇し5.96%。格付け会社ムーディーズが前週末に同国の格付け見通しを引き上げたことで前日は利回りが低下していた。
独連邦債先物は31ティック安の140.70。一時140.53と10月23日以来の安値をつけた。米連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早く金融緩和の縮小に踏み切る可能性があるとみられるなか、米国債の軟調な動きにつられる格好となった。米10年国債利回りはこの日2.4bp上昇し2.77%近辺で推移した。