肥満の人が受ける胃を小さくする手術が、ダイエットや食事制限をするより効果的

米国では今、肥満人口が増大し深刻な状況となっています。そんな状況なので、肥満脱却のための手術を受ける人も多くなりました。その手術とは、胃の大きさを小さくする手術です。胃が小さくなると、食べる量も必然的に減り、体重も減るということなのです。

この肥満外科手術が、肥満の人の体重を減らす最も有効な方法であることが研究で分かりました。

この研究では、約800人の肥満の人を、手術を受ける人と、個人で生活を改善したりダイエットするなどの方法で減量に挑戦する人に分けました。その結果、手術を受けた人は20kg~45kgの体重を落としました。手術を受けていない人たちよりも平均で25kgも減量することができたのです。

また、手術を受けた中にいた、2型の糖尿病をもつ人たちの血糖値を術後調べたところ、通常レベルに下がっていたというのです。

この研究は、2年間限定でモニターされた研究なので、対象者たちへの長期的な影響ははっきりと分かっていませんし、糖尿病治療のための研究でもありません。しかし、手術を受けた人のほうがより体重を落とす事ができるということは明らかになりました。

「米国にいる2型糖尿病患者は約300万人いるといわれています。その中の半分の人は肥満である事を考えると、手術によって健康な体を取り戻す人の数が増える事が期待されます」とカナダ、アルバータ大のジル医師は言います。

しかしやはり手術には、後遺症などのリスクもあり、再手術を余儀なくされる人もいます。手術をしたとしても、同時に生活改善をする必要もあります。

ダイエットはそう簡単なものではありませんが、手術はあくまでも選択肢の一つとして考えたほうがよさそうですね。

参考:For some obese people, surgery beats other options
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/news/fullstory_142109.html