東京株式市場で日経平均は大幅続伸。前日比318円高と高値で引け、終値では10月31日以来、約2週間ぶりに節目の1万4500円を回復した。

前日の米ダウ工業株30種<.DJI>が小幅に過去最高値を更新したことで買いが先行。戻り待ちの売りや株式の軽減税率廃止を控えた個人の売りなどで伸び悩む場面もあったが、ドル/円が99円台半ばまで円安に進むと先物主導で上げ幅を拡大した。

先週末に発表された10月米雇用統計が強い内容だったことで、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小開始時期が予想より早まるとの観測が浮上。市場では円安期待が高まっており、株高・円安を見込む仕掛け的な売買が入りやすいという。市場では「決算発表が一巡し個別物色から先物主導の売買に戻りつつある」(準大手証券)との声が出ていた。

先物への断続的な買いに伴って、ファーストリテ<9983.T>やKDDI<9433.T>、ソフトバンク<9984.T>など指数寄与度の大きい銘柄に裁定買いが入り、指数を押し上げた。日経平均は前日比で2.2%上昇したのに対し、TOPIXの上昇率は1.6%程度にとどまった。NT倍率<.NTIDX>は10月23日以来、約3週間ぶりの高値水準となった。

一方、東証1部の売買代金が2兆1049億円と、上昇幅に比べて盛り上がりに欠けた。SBI証券・投資調査部長の鈴木英之氏は「現物株の商いを伴っておらず、ボックス圏内でのリバウンドの動きだろう。なんら景色は変わっておらず、トレンドは変化していない」と指摘した。FRB次期議長に指名されたイエレン氏による上院銀行委員会での指名承認公聴会(14日)を見極めたいとの見方もあった。

個別銘柄では、アルバック<6728.T>がストップ高比例配分となった。11日、2013年12月中間期連結利益予想の上方修正を発表し、材料視された。2014年3月期業績予想を上方修正した電通<4324.T>も堅調だった。

半面、大林組<1802.T>は軟調。12日付の日本経済新聞朝刊は、同社の2013年4―9月期連結営業利益が前年同期比37%減り、75億円程度(従来予想は80億円)になったようだと報じた。業績下振れを警戒した売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり1477銘柄に対し、値下がりが210銘柄、変わらずが70銘柄だった。