正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の99円半ば。日経平均の上昇を手掛かりにとする欧州系の長期資金とヘッジファンドの買いが流入し、損失確定の買い戻しオーダーを巻き込んで、ドルは7週間半ぶりの高値を付けた。

ドルは午前9時前に99.10円の安値を付けたが、仲値公示を通過後、日経平均<.N225>の上昇に乗じた欧州圏の長期資金とマクロ系ヘッジファンドの買いが流入し、上昇に弾みが付いた。

上昇過程では、オプション関連のドル売り/円買いオーダーを飲み込んだほか、損失確定のドル買戻し(ストップ)を巻き込んで、一時99.59円付近と、9月20日以来の高値まで伸び上がった。

ユーロ/円は、132円後半から133円前半へ上昇したものの、欧州中央銀行(ECB)が予想外の利下げに踏み切った直前の高値133.53円には達していない。

きょうはルー米財務長官と麻生財務相、甘利経済再生相の会談が予定されている。これに先立って、甘利経済再生相は閣議後の会見で、アベノミクスが為替誘導を目的とするものではないことをルー長官に伝えたいと語った。

同相はまた、賃上げに言及する企業が増えていることを歓迎すると述べ、賃上げによる好循環で、名目3%、実質2%の経済成長への道筋が開けるとの見解を示した。為替市場の反応は限定的だった。