11日の米国株式市場は小幅続伸し、ダウ終値が過去最高値を更新した。ベテランズデーの祝日のために取引は低調だった。

投資家の関心は米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小開始時期に集まり、先週末に発表された10月の雇用統計が強い内容だったことでFRBは予想より早めに緩和縮小に動くかもしれないとの観測が再燃している。

ダウ工業株30種<.DJI>は21.32ドル(0.14%)高の1万5783.10ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は0.56ポイント(0.01%)高の3919.79。

S&P総合500種<.SPX>は1.28ポイント(0.07%)高の1771.89。

バイオ医薬品会社バイロファーマ<VPHM.O>は25.5%急伸。ロンドン証券取引所に上場している医薬品のシャイア<SHP.L>がバイロファーマを買収すると発表したことに反応した。

短文投稿サイト運営大手ツイッター<TWTR.N>も3%上がった。

海洋掘削受託世界最大手のトランスオーシャン<RIG.N>は3.6%高。同社は1株当たり3ドルの配当を支払い、取締役会の最大定数を14人から11人に減らすことで、米著名投資家カール・アイカーン氏と合意したと明らかにした。

今週増益を発表するとの期待が出ている小売りのメーシーズ<M.N>とウォルマート<WMT.N>はそれぞれ1.9%と1.4%上昇した。

一方でアップル<AAPL.O>は0.3%下落するなど大型ハイテク銘柄が値下がりしてナスダック総合指数の上値を抑えた。

FRBの量的緩和についてロイターが米プライマリーディーラーを対象に実施した調査では、縮小開始時期は来年3月よりも前になるとの予想が増加した。

BB&Tウエルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「注目はFRBに戻った。市場の考えは恐らく、緩和縮小が前倒しされるというものだ。多分縮小が始まるのは来年3月ではなく、来月だろう」と述べた。

多くのアナリストは、FRBが早ければ来月にも緩和縮小を決めれば株式市場は年内に反落に向かう可能性があると懸念している。ただ、ヘルウィグ氏は「これまでの株式市場の勢いの強さに議論の余地はなく、現在はまだ上昇トレンドに乗っているように見受けられる」と強調した。

BATS取引所のデータによると、ニューヨーク証券取引所とナスダック、NYSE MKTの合算出来高は約47億6000万株で、5日平均の約66億2000万株を下回った。

ニューヨーク証取の騰落銘柄比率は15対14、ナスダックはおよそ12対13だった。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値(非公式)    15783.10(+ 21.32)

前営業日終値    15761.78(+167.80)

ナスダック総合<.IXIC>

終値(非公式)    3919.79(+ 0.56)

前営業日終値    3919.23(+61.90)

S&P総合500種<.SPX>

終値(非公式)    1771.89(+ 1.28)

前営業日終値    1770.61(+23.46)