8日の東京市場はやや波乱含みの相場展開になりそうだ。7日の米国株式相場は下落 し、シカゴ日経225先物清算値は大証比240円安の14010円となり、安いところでは 13890円まで下げ幅を広げている。円相場は欧州中銀による利下げの影響から、ド ル・円が1ドル98円10-15銭、ユーロ・円が1ユーロ131円台での推移となるなか、売り 先行の展開になろう。オプションSQに絡んだ攻防などから、SQ値が14000円を割り込 む可能性もありそうだ。 ギャップ・ダウンで始まることになるため、SQ値が結果的にはサポートとなる可能 性はある。しかし、8日の米国では雇用統計の発表を控えていることもあり、見極め ムードから売り一巡後のリバウンドも期待しづらい面はある。決算が一巡する来週辺 りまでは、方向感の掴みづらい相場展開が続きそうである。 一方、ブリヂストン<5108>が7日発表した1-9月期業績への評価から、ADR市場では 全般軟調ななか、底堅い値動きをみせている。好業績銘柄への押し目買い意欲は強い とみられ、足元で利益確定に押されている銘柄などには、押し目狙いの好機になる可 能性はある。また、7日の東京市場では新株価指数「JPX日経インデックス400」の構 成銘柄を物色する動きが目立つなど、個人主体による物色意欲の強さが窺えた。 そのほか、投信協会によると、証券口座に残っている現金の受け皿であるマネー・ リザーブ・ファンド(MRF)の9月末残高は9兆655億円と過去最高水準と報じられてい る。9月だけで4500億円増えており、押し目狙いの待機資金として注目される。空売 り規制緩和によって空売り比率が上昇し、銘柄によっては売り仕掛け的な売買に押さ れる銘柄もある。しかし、昨日のブリヂストン<5108>のように、タイヤのリコールが 報じられ売り仕掛けの動きがみられたが、結局は売り方が踏まされる格好だった。短 期的な需給要因によって個別で乱高下しやすい状況が続きそうだ。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・好決算企業に対する物色意欲強い ・MRFの9月末残高、9兆655億円と過去最高水準 ・ブリヂストン<5108>1-9月期最高益 ・9月景気動向指数、2ヶ月ぶり改善 ・独DAX上昇(9081.03、+40.16) ・JPX日経インデックス400に関心集まる ・米ツイッター上場、初日は急伸 ・米7-9月GDP、予想上回る2.8%成長 弱気材料 ・NYダウ大幅下落(15593.98、-152.90) ・ナスダック下落(3857.33、-74.62) ・シカゴ日経225先物清算値(14010、大証比-240) ・英FTSE100下落(6697.22、-44.47) ・SOX指数下落(495.20、-9.71) ・空売り比率高水準、規制緩和に伴う需給懸念 ・決算本格化で方向感の掴みづらい展開 留意事項 ・欧州中銀0.25%利下げ過去最低の年0.25% ・ドル円(1ドル98円10-15銭) ・ユーロ円(1ユーロ131円60-65銭) ・NY金は反落(1308.5、-9.3) ・NY原油は反落(94.20、-0.60) ・対外対内証券売買(先週、財務省) ・日本銀行の対政府取引(10月、日本銀行) ・マネタリーベースと日本銀行の取引(10月、日本銀行) ・日本銀行、コール市場残高(10月) ・中貿易収支(10月) ・スイス失業率(10月) ・独貿易収支(9月) ・仏鉱工業生産指数(9月) ・英貿易収支(9月) ・米非農業部門雇用者数(10月) ・加失業率(10月) ・米失業率(10月) ・米個人所得(9月)% ・米個人消費支出(9月) ・米ミシガン大学消費者信頼感指数(11月、速報値) ・米バーナンキFRB議長、IMFで講演 [サポート&レジスタンス] 終値 14228 5日移動平均 14264 標準偏差+2σ 14759 レジスタンス(2) 14424 レジスタンス(1) 14326 25日移動平均 14310 転換線 14308 先行スパンA 14305 基準線 14274 ピボット 14274 サポート(1) 14176 サポート(2) 14124 先行スパンB 14071 100日移動平均 14062 標準偏差−2σ 13861 200日移動平均 13380