<為替> 終盤の市場では、ユーロが対ドルで一時、約7週間ぶりの安値をつけた。欧州中央銀行(ECB)が予想外に利下げに踏み切り、必要な限り金融緩和を維持するとの方針を示したことを受けた動き。
また第3・四半期の米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回る伸びとなり、米新規失業保険週間申請件数が前週から減少したことは、米連邦準備理事会(FRB)が年内に金融緩和縮小に着手する可能性があるとの見方を支え、ドルを押し上げる要因となった。
ドル/円は一時、約7週間ぶりの高値となる99.41円に上昇したが、その後は上げ幅を縮小して終盤は0.8%安の97.87円。
<債券> 債券価格が上昇。予想外の欧州中央銀行(ECB)利下げに加え、第3・四半期の米国内総生産(GDP)統計が基調的な景気の力強さに不安を残す内容となったことが支援した。
相場は当初、大方の予想に反してECBが利下げに踏み切ったことを好感し上昇。だがその後発表された米GDP統計が2012年第3・四半期以来の高い伸びとなったことで下げに転じた。だが統計の詳細に目を向けると、景気はそれほど力強くないとの受け止め方が広がり、再び値を上げた。
<株式> 下落。S&P総合500種の下落率は8月以降で最大となった。
注目が集まったのはニューヨーク証券取引所に上場を果たした短文投稿サイト運営大手、ツイッター<TWTR.N>で、株価は急騰して一時50ドルと、新規株式公開(IPO)価格の26ドルの2倍近くになった。終値は44.90ドルで初値の45.10ドルを下回った。
ただ、市場全般はさえない業績の銘柄が売られたことで主要株価指数が押し下げられた。
<金先物> 欧州中央銀行(ECB)の利下げなどを受けた対ユーロでのドル高を背景に売られ、小反落した。さらに、2013年第3・四半期(7─9月期)の米実質GDP(国内総生産)速報値が市場予想を大きく上回った。これを受けて、ユーロ売り・ドル買いが進行。ドル建てで取引される金塊に割高感が生じ、相場は売りが先行した。
ただ、ECBの利下げ発表直後は、インフレヘッジとしての金の魅力が高まったことで買われ、プラス圏に浮上する場面があった。
<米原油先物> 欧州中央銀行(ECB)による利下げと堅調な米経済指標を背景としたドル高・ユーロ安を受けて、反落した。1月物は0.59ドル安の94.54ドルで引けた。
外為市場は対ユーロでドル高が進行。このため、ドル建ての原油相場は相対的な割高感から売りが先行。さらに、イランの核開発をめぐり国連安保理事常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランがこの日から協議を開始。米高官が前日、イランが高濃縮ウランの製造停止などに応じれば制裁を一部緩和する用意があると述べるなど、市場では包括合意に向けて進展があるとの見方が強まり、相場を圧迫した。