油田サービスの仏テクニップ<TECF.PA>が急落し10%安。海底事業の通年売上高と利益率目標を下方修正したことが嫌気された。
デンマークの医薬品メーカー、ノボ・ノルディスク<NOVOb.CO>は7.4%安。四半期の業績が市場予想を下回った。
トムソン・ロイター・スターマインによると、STOXX欧州600指数<.STOXX>の構成企業のうち、決算内容が市場予想と同等もしくは上回った割合は53%と、過去数四半期の平均にほぼ並んでいる。またデータストリームによると、この1週間で通年業績予想を下方修正する動きは鈍っている。
こうしたなか、欧州自動車株指数<.SXAP>は値上がりし1.4%高。フィンランドのタイヤメーカー、ノキアン・レンカート<NRE1V.HE>は好決算を手がかりに5.8%値上がりし、指数の上げを主導した。
<ユーロ圏債券> 総じて上昇。ユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)上昇率が大きく鈍化したことで、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測が高まった。
10月のユーロ圏のEU基準CPI速報値は前年同月比0.7%上昇と、4年ぶりの水準に低下、市場予想の1.1%上昇を下回った。またECBがインフレ目標としている2%弱の水準も大きく下回っている。
相場は当初、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で予想ほど米景気に対し警戒感が示されなかったことが重しとなりマイナス圏で取引されていたが、CPIデータを受け切り返した。
またデータ発表後、ユーロ圏の金利先物は2014─2016年限が全般的に上昇。短期金利は下落した。
市場では、ECBが来週7日に開く理事会で少なくとも利下げ、もしくは追加の流動性供給を示唆すると見方が出ている。
ナティクシスのストラテジスト、シリル・レグナット氏は「(CPI統計は)かなり低い水準で、ECBや投資家にとり大きく流れが変わる材料だ」と指摘。「ECBが来週行動するとは予想していないが、(10月会合に比べ)よりハト派的である必要がある。なぜなら物価安定はECBの唯一の責務であり、これだけの低インフレとなれば、ECBの信頼性の問題にかかわってくる」と述べた。
独連邦債先物は15ティック高の142.00。インフレデータを受けて、一時8月12日以来の高値となる142.32まで買われた。
独10年債利回りは1.3ベーシスポイント(bp)低下の1.68%。2年債利回りは4bp低下の0.12%と、8月1日以来の水準をつけた。
CPI統計のほか、予想を下回る独小売売上高や仏消費支出、過去最悪の水準に高止まりしているユーロ圏失業率のデータもECBの追加緩和観測を後押しした。
ECBの追加緩和観測はより格付けの低い国の国債も支援した。
スペイン10年債利回りは5月3日以来の水準となる3.99%に低下。イタリア10年債も6bp低下の4.12%となった。