東京株式市場で日経平均は反発。上げ幅は一時200円を超え、取引時間中としては10月23日以来1週間ぶりに節目の1万4500円を回復する場面があった。

前日の米国株高や外為市場での円安進行など外部環境の改善を背景に主力株中心に買いが先行。上値では戻り売りや利益確定売りなどが重しとなったが、好業績銘柄への買いが支援しているという。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が現状の金融緩和を維持するとの見方から、米国では経済指標がさえない中で株価が上昇する「金融相場」の色彩が強くなっている。ダウ工業株30種<.DJI>が約1カ月半ぶりに過去最高値を更新したほか、1ドル98円台への円安進行などが追い風となった。国内主力株には海外年金筋の資金流入が観測された。グローバル投資家のリスク選好度が高まった結果、株式へ資金流入だけでなく、懸念された円高も進まずに日本株の支えになった。

本格化する企業決算を受けて好業績を評価する動きも日本株を押し上げている。2014年3月期(米国会計基準)連結業績予想の上方修正を好感したオムロン<6645.T>は前日比6%超上昇し、年初来高値を更新。13年4─9月期が営業最高益と報じられたソフトバンク<9984.T>も堅調だった。「投資家の目は企業業績に向かっており、好業績銘柄には継続的に買われている」(かざか証券・市場調査部長の田部井美彦氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、JT<2914.T>が続伸。NHKは30日朝のニュースで、JTがたばこの生産体制を縮小する方針を固めたと報じた。来年度末をめどに人員削減や国内4工場を閉鎖することが明らかになったとしている。合理化による収益力向上を期待する買い入った。半面、決算内容がさえなかったファナック<6954.T>やアドバンテスト<6857.T>は売られた。

東証1部騰落数は、値上がり1067銘柄に対し、値下がりが598銘柄、変わらずが89銘柄だった。

(杉山容俊)

日経平均<.N225>

終値      14502.35 +176.37

寄り付き    14464.67

安値/高値   14425.58─14526.88

東証出来高(万株) 348076

TOPIX<.TOPX>

終値       1204.5 +11.00

寄り付き     1202.81

安値/高値    1200.68─1207.6

東証売買代金(億円) 27213.62