寄り付きの株式市場で、三菱自動車工業<7211.T>が続伸。優先株の全額処理に向け、来年1月にも2000億円規模の公募増資に踏み切る方針を固めたことが26日、ロイターによる関係者への取材で分かった。

希薄化懸念よりも、復配などへの期待が先行する動きになっている。

複数の関係者によると、三菱自動車は調達した約2000億円を使い、優先株の大半を簿価より低い価格で買い戻して消却する。残りは普通株に転換し、三菱重工業<7011.T>、三菱商事<8058.T>、三菱東京UFJ銀行の三菱グループ3社が計34%を保有し続ける。

環境技術の開発負軽減に向け合従連衡が進む自動車業界で、特定の提携相手がいない三菱自動車の後ろ盾になる。公募増資で株式が希薄化するため、34%の維持に向けて三菱重工が株式を買い増す方向で調整を進めている。経営の足かせとなっていた優先株問題に区切りをつけ、アジア戦略の強化を中心に成長路線へ舵を切りたい考えだ。