早期発見がポイント―子供の「自閉症」、MRIで診断可能に

自閉症は「心の病気」だと思っていませんか?この病気は脳の神経伝達に生まれつきの障害があることで現れるものです。

これまでは質問と行動で自閉症であるかどうか判断されていましたが、脳のスキャンで発見することが可能になりそうです。就学前に発見できれば対策が立てやすく、その後の人生がより充実すると考えられます。

自閉症は「心の病気」だと思っていませんか?この病気は脳の神経伝達に障害があることで現れるもので、先天性の、れっきとした脳の疾患なのです。

一部の神経伝達が困難であるため、ものごとの因果関係を結びつけるのが苦手だったり、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。その反面、芸術などの分野で飛びぬけた能力を発揮する例も多いことが知られています。

自閉症であることが早くから分かれば、保育所や小学校の選択、親の生活など、さまざまな面で効果的な対策が可能です。しかし、現在のところ、自閉症であるかどうかの診断は患者に対する質問と、日常の行動から判断されているため、実際には4~6歳で発覚することが多いようです。

イギリス、アラバマ大学とオーボーン大学の共同研究は、自閉症の診断をMRIによって行うことを目指すものです。研究チームは自閉症と診断された10代以降の15人と、自閉症の症状のない16~34歳の15人の脳のスキャンを比較しました。この結果、神経伝達が弱くなる部分を見ることができたということです。

研究チームのカーナ博士によれば、MRIによる検査が実施できれば、子供が18か月の時点で自閉症かどうかを診断することができるそうです。これによって早期に対策をたてることができれば、子供にとって無理のない、また才能を伸ばせる教育や生活を選択することができます。

日本では1000人に1~2人の割合でいると言われる自閉症。意外に身近な症状を言えるのではないでしょうか。早期診断が可能になり、より助け合って生活できるようになることが望まれます。今後の研究にも目が離せませんね。

参考:Research Finds Brain Scans May Aid in Diagnosis of Autism
http://www.newswise.com/articles/research-finds-brain-scans-may-aid-in-diagnosis-of-autism