東京株式市場で日経平均は大幅反落。前日比で398円安の安値引けとなり、10月9日以来、約2週間半ぶりに1万4100円を下回った。外為市場でのドル安/円高進行に加え、中国での短期金利の上昇などを警戒する声が聞かれ、短期筋による先物売りが強まった。
一方、個別では好業績銘柄や中小型の材料株を物色する動きもみられた。
前日の米国株は反発したが、外為市場での円高警戒を背景とする売り圧力が強く、終日軟調な展開となった。前日後場に需給主導で上昇した反動もあるという。後場に入ると先物市場への断続的な売りが一段と強まり、ドル/円の一時97円割れに連動する形で下げ足を速めた。先物売りが裁定解消売りを誘い、ソフトバンク<9984.T>やファーストリテイリング<9983.T>、KDDI<9433.T>、ファナック<6954.T>など指数寄与度の大きい銘柄が軒並み売られた。
中国市場を警戒する声も多い。上海総合指数<.SSEC>が一時、前日比で1%を超える下げとなったほか、中国の短期金利も上昇しており、投資家はリスクオフの動きを強めているという。市場では「中国の銀行間金利が上昇しており、今年6月のような中国での金融システムの混乱を招くのではとの懸念が強まった」(大手証券)との声が出ていた。
東証33業種すべてが値下がりする全面安となったが、好業績銘柄や材料株などを拾う動きもみられた。前日に業績予想の上方修正を発表した村田製作所<6981.T>や三菱自動車工業<7211.T>、富士通ゼネラル<6755.T>などは、後場にやや伸び悩んだものの、プラス圏を維持。午後1時半に通期予想の上方修正を発表した日立キャピタル<8586.T>も買われた。
スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)で音声通話やメールが無料でできるアプリ「LINE」を運営するLINE(東京・渋谷)の上場観測報道から、ネオス<3627.T>など中小型の関連銘柄にも個人投資家の買いが向かったという。
半面、キヤノン<7751.T>は軟調だった。24日、2013年12月期の連結営業利益(米国会計基準)を3800億円から前年比11.2%増の3600億円に下方修正したことが嫌気された。
東証1部騰落数は、値上がり186銘柄に対し、値下がりが1501銘柄、変わらずが69銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 14088.19
寄り付き 14439.14
安値/高値 14088.19─14442.12
東証出来高(万株) 241139
TOPIX<.TOPX>
終値 1178.28
寄り付き 1201.44
安値/高値 1178.28─1201.44
東証売買代金(億円) 20833.25