■ついついやってしまいがちな、自律神経のバランスを崩すNG行動

【1】お風呂に入らず、シャワーで済ませる
疲れて帰ってきた時こそ、15分でいいから湯船に浸かろう。血行が良くなって全身が温まり、寝つきやすくなる。バスルームでお気に入りのアロマを焚いたり、好きな音楽を流したりすれば、よりリラックスできて副交感神経の働きが高まる。そのままベッドに入るとぐっすり眠れるはず。

【2】運動を全くしない
「仕事で疲れているのに、運動なんかしたら余計に疲れちゃう」と思いがちだが、それは大きな誤解。適度な有酸素運動は、体内の抗酸化力をアップして、疲れにくい体を作ってくれる。忙しくて時間がないという人は、通勤の行き帰りに早歩きを心掛けるだけでも効果的。

【3】布団に入っても、スマホをいじっている
もう寝ようと思いつつも、ツイッターでつぶやいたり、Facebookに書き込むのがやめられないという人は多い。でもスマホやPCの画面を見ていると、脳が刺激されて興奮し、夜になっても交感神経の働きが低下しなくなって、自律神経が乱れる原因に。

【4】休日は昼過ぎまで寝ている
今週は残業続きだったから、休みの日くらいはたっぷり寝たい。そんな気持ちも分かるが、昼過ぎまで寝ていると、日中も副交感神経が優位に働くようになってしまう。休み明けに出社しても、体がだるく頭がボーッとして仕事に集中できないという人は、休日の過ごし方を見直してみよう。
 
【5】野菜はジュースでしか摂らない
炭水化物や甘いものを食べ過ぎると、血液がドロドロになって免疫力が低下し、体も疲れやすくなる。炭水化物を控え、魚介や豆類など良質のたんぱく質を多めに摂ることと、野菜や果物、海草類を積極的に摂ることを心掛けよう。ただし、市販の野菜ジュースは加熱処理によって栄養素が壊されてしまうため、体に必要な消化酵素やビタミン・ミネラルがほとんど含まれない。できるだけ生の野菜を食生活に取り入れて。

こうしてみると、仕事の忙しさから「私もついついやってる……」ということが多いのでは? 不調に悩まされず、元気に働き続けるためにも、疲れが溜まっているなと思ったら早めに休息を取り、自律神経が正常に働くようにライフスタイルを見直して。心身の健康こそが仕事で成果を出し、プライベートを充実させていくための大切な一歩なのだから。

■ミチワクリニック 心療内科・内科 院長 佐久間 一穂さん
福島県出身。1988年、秋田大学医学部卒業。1994 年東北大学第3内科入局。1995年より東邦大学心身医学研究室入局。1999 年より聖路加国際病院心療内科医員・緩和ケア科副医長を経て、2002 年横浜相原病院心療内科医長に就任。2005 年にミチワクリニック開業。同クリニックは、薬物療法(漢方治療を含む)のみならず、カウンセリング、自律訓練法、遠赤外線温熱療法など心身両面からアプローチを心掛けている。ミチワクリニックHP