もちろん、これまでに何度も抗議したことがあった。しかし、それはB子さんのケースと同じく、火に油を注ぐだけの結果となり、E子さんは鬱屈していたという。
○E子さんは大改革を断行、自分も夫に負けないくらい遊ぶように
そんなある日、E子さんは大改革を断行した。夫の遊び癖は未来永劫治るものではないと諦観したのか、それとも単に精神がハイになっていたのか、遊び呆ける夫のことを一切無視するという開き直った行動に打って出る。
そして、自分も夫に負けないくらい遊ぶようにしたのだ。
このときのE子さんはまるで糸が切れた凧のように、毎日ふらふらと、遊びに夢中になったという。目には目を、遊び癖には遊び癖を、そんな復讐心を胸の中で燃やしながら、夫にあてつけるように女友達と夜な夜な飲み歩き、無断で旅行にも出かけ、ホストクラブやサパーなどで男遊びにも興じた。
おかげで家事はおろそか、家計は火の車となったが、もはやE子さんにとってそんなことはどうでも良かった。金がないなら借金すればいい、もとはといえば夫が悪いのだ、と安易に考えるほど精神が錯乱していたらしく、離婚も厭わないつもりだったという。
すると、不思議なもので夫の態度が急変した。
「ごめん、俺が悪かった。これからは俺も落ち着くようにするから、おまえも元に戻ってほしいんだ」。夫はそう言って、申し訳なさそうに頭を下げた。「結局、俺がおまえに甘えていたんだよ。おまえが専業主婦として家にいてくれるから、それに安心して遊ぶことしか考えていなかった。けど、おまえが家にいないことが増えて気づかされたよ。せっかく夫婦になったのに、こんな生活嫌だよな。俺はおまえにつらい思いをさせてたんだな」
その言葉を聞いて、E子さんは目頭が熱くなったという。別に最初から夫の更生を狙っていたわけではなく、ただ単に自分の精神が乱れただけなのに、それが結果的に夫の胸を打ったようだ。夫婦の片割れが家庭のことを考えなくなるということは、妻だけでなく夫にとっても大きな苦しみであり、不安だったのだ。
かくして、E子さんは元通りの地道な生活に戻った。夫も遊びを控えるようになり、現在は貯金に奮闘しているという。二人はようやく夫婦になったのかもしれない。http://netallica.yahoo.co.jp/news/20131025-00000007-cobs