23日午後の東京市場では、ドル/円が一時、97.25円まで下落し、日経平均<.N225>も前日比200円を超す下落となった。

市場関係者によると、先進国株式の過熱感を背景に海外短期筋の売り仕掛けが株式市場に出たほか、外為市場でも短期筋のドル売りが目立ったという。全般にリスクオフの心理が広がっている。

株式市場では「米量的緩和の継続観測から、これ以上の円安は望みにくいとの見方が広がり、日経平均の9月高値更新は厳しいとみて利食い売りが出た」(国内証券)との声が出ていた。

実際、午後の取引では円高方向への動きにつれ、先物売りが強まったという。また、この日の中国株の下げを嫌気する声も出ていたが「海外短期筋の仕掛け売りの材料にされただけだろう」(大手証券トレーダー)という見方もあった。

株式市場の先行きに関連し「7、9月に続き、今回も1万4800円水準の壁に阻まれ、いったんは短期的な調整局面を迎えそう。75日移動平均線(1万4169円62銭=22日)が目先の下値めどになる」(国内証券)との声が出ている。

外為市場では、10年米国債利回りが2.5%を割り込んだことも意識された。今日の値動きは短期筋が中心だが、それだけではなくドルには下押し圧力がかかり出したとの見方も出ている。外資系証券のある関係者は「米財政政策は動けず、議長が交代期を迎える金融政策も機動性が失われつつある。市場はそれを見越して、ドル安方向に動き出した」と指摘した。

一方、円債市場では、10年最長期国債が0.6%に低下した。午前の取引で、超長期ゾーンに銀行勢の買いが入り、株価の軟調や円高方向の動きを背景に10年ゾーンもつれて低下した。

ただ、その後は「10年・0.6%割れに対する抵抗感から、買いの手がいったん止まった格好」(国内金融機関)という。