米財務省が22日発表した8月の海外投資家による対米証券投資に関する統計によると、長期有価証券(株式スワップ等除く)が、前月の309億ドルの買い越しから89億ドルの売り越しに転じた。財務省証券が売り越しに転じ、中国の保有額が6カ月ぶり低水準となった。

財務省証券は108億ドルの売り越し。前月は339億ドルの買い越しだった。

中国の財務省証券保有高は1兆2680億ドルで前月から112億ドル減少した。一方、日本の保有高は137億ドル増加し1兆1491億ドルとなった。

BNYメロンの通貨ストラテジスト、マイケル・ウールホーク氏は、中国の財務省証券購入は近年鈍化したが、この傾向は続くだろうと指摘。

最近の米政府機関の一時閉鎖や債務上限引き上げ協議で、海外投資家は米資産への投資には一段と慎重になったとの見方を示した。また、米経済の強さや連邦準備理事会(FRB)の債券買い入れ規模の縮小開始時期をめぐり不透明感を感じていると話した。

同氏は、中央銀行は少なくとも、財務省証券の利回りの低さやその他リスクを踏まえると外貨準備の60%をドル建てとするのは行き過ぎではないか、と考えるに至っていると語った。

株式は169億ドルの売り越し。

政府機関債は168億ドルの買い越し。買い越し額は前月の222億ドルから縮小した。

財務省短期証券(Tビル)などの短期債を含む対米証券保有は29億1000万ドルの売り越しとなった。前月は567億ドルの買い越しだった。