■孤独感が不安障害やうつ病、薬物の乱用などを招く
人は誰しも孤独を感じる時があり、また孤独を感じることは人間の本能だという人もいます。だとしたら、なぜ私達は孤独を懸念しなければならないのでしょう。
その理由として挙げられるのが、孤独によって引き起こされるさまざまな病気です。慢性的な孤独感は、不安障害やうつ病、薬物の乱用といった多くの健康問題を引き起こす要因となるとともに、ガンや循環器疾患の危険因子でもあるといわれています。
また、社会的に孤立した人達は、そうではない人達と比べて免疫力が低いことが長年の研究で明らかになっています。孤独感が病気と密接に関係しているという生体メカニズムは確固たるものなのです。
アメリカで2010年に出版された『PLoS Medicine』には、孤独感による健康被害は、1日15本の喫煙やアルコール中毒と同等で、運動不足や肥満以上の悪影響があると記されています。
また、社会的に孤立した人達は、コルチゾールをはじめとしたストレスホルモンの値が上昇する傾向があります。これらのホルモンは免疫細胞内の遺伝子発現を変換し、感染症と闘い、炎症を抑える身体的能力を危険に晒してしまうのです。
逆に好きな相手とじかに接している間は、“安らぎホルモン”と呼ばれるオキシトシンが分泌され、抗炎症作用をもたらすと言われています。
いかがでしたか? もちろん、世界中の人々と容易に繋がることができるソーシャル・ネットワーキング・サービスが私達に多くのメリットを与えてくれているのは言うまでもありません。
その一方で、孤独感から少しでも逃れようとネットに噛り付くあまり、近くであなたを見守ってくれている人の好意に気づけずにいたり、社会復帰の機会を損失したりしているとしたら、とても悲しいことですよね。それで健康被害を被るとしたら尚更です。
ネットはあくまでツールでしかありません。もしもあなたが本当の意味で孤独感を癒したいのなら、同じ趣味を持つ人に会いに行ったり、お店の人と何気ない会話を交わしたりするなど、無理のないところから少しずつでも自分を開放していく努力が必要と言えるでしょう。http://netallica.yahoo.co.jp/news/20131021-00010002-menjoy