日経平均は続伸。113.14円高の14150.98円(出来高概算11億4000万株)で前場の取 引を終えた。米国では債務上限問題の交渉について、10日にオバマ大統領が共和党指 導部をホワイトハウスに呼び、会合を持つことが報じられている。財政協議の進展へ の期待感から、買い戻しの流れが継続しているようである。 セクターでは相対的に弱い値動きが続いていた医薬品が上昇率トップ。格上げの動 きや国内最大級バイオ展「バイオジャパン2013」の開幕を材料視する流れもあったと みられる。そのほか、海運、その他製品、ゴム製品、食料品、電力ガス、小売、輸送 用機器、情報通信などが堅調。半面、その他金融、ガラス土石、非鉄金属、鉄鋼など が小安く推移している。 個別では前日に5%を超える下落をみせたソフトバンク<9984>が反発。アステラス <4503>、武田<4502>、京セラ<6971>、ファナック<6954>などが日経平均をけん引。一 方、日東電<6988>、KDDI<9433>、ファーストリテイリング<9983>、ソニー<6758> などが冴えない。中小型株では、ヤフー<4689>のネット戦略展開を背景に、ネット関 連への継続的な物色がみられている。 医薬品が上昇率トップと、基本的には買い戻しの流れが中心とみられる。東証1部 の売買代金は8661億円にとどまっており、2兆円を上回るのは厳しい状況であろう。 また、引け後にファーストリテイリング<9983>の決算発表が予定されているほか、明 日はオプションSQ(清算日)となるため、大きなトレンドは出難いと考えられる。結 果的には今晩のオバマ大統領と共和党指導部との会合を控えてのポジション調整の流 れであろう。 ただ、ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>などが堅調に推移していることもあ り、下値不安はなさそうである。円相場も円安傾向をみせているため、底堅さが意識 されよう。そのほか、決算発表が本格化するなか、東京個別<4745>、大幸薬品 <4574>、ITメディア<2148>など、好決算や上方修正を発表した企業への物色が目立 つ。徐々にではあろうが、テーマ物色などから業績相場へ移行することになりそう だ。