<成長期待よりも大きな理由>

小型株に集中的に投資している投資家のリスクが高まっている。中国指導部が昨年終盤に反腐敗キャンペーンを打ち出した際には高級酒メーカー株が急落したこともある。

政策当局者らは、機関投資家のプレゼンスを高めることに意欲を示しているが、アナリストらによると、中国市場は相変わらず、共通の投資テーマに乗りやすい個人投資家の存在感が大きいという。こうした資金は流れが速く、ボラティリティが高まりやすい。

チャイネクストに多いハイテク株や製薬株などは、資源株や工業株といった「オールドエコノミー株」をアウトパフォームしているが、トムソン・ロイター・スターマインによると、2012年には予想を下回る決算となった企業が続出した。

数週間以内に第3・四半期決算が発表される予定だが、こうした状況はこれまでのところ大して変わっておらず、失望的な決算となればアウトパフォームしていた小型株の化けの皮がはがれるかもしれない。

もちろん、小型株が人気を集めている背景の一部には、成長期待もあるだろう。交銀国際チーフストラテジストの洪コウ氏は「テーマ的に見て、チャイネクストを占めているセクターは将来、中国経済を形作るだろう」と指摘。しかし、「小型株でてっとり早く稼ぐのはたやすい」として、将来の成長期待よりも大きな理由があるとの認識を示した。