9日後場の日経平均株価は前日比143円23銭高の1万4037円84銭と続伸し、高値引け。終値での1万4000円台は4日(1万4024円31銭)以来、3日ぶり。前引けにかけての地合い好転を引き継ぐ形で、後場寄り付きから買いが先行した。円弱含み基調が続くとともに、株価指数先物買いを交えて一段高となり、午後零時48分に1万3998円45銭(前日比103円84銭高)まで上昇。その後、いったん上げ一服となったが、根強い買いに支えられ、引けにかけて上げ幅を拡大した。米債務上限の引き上げ期限となる17日までに米財政協議が進展するとの思惑から、円安基調とともに広範囲に物色された。

東証1部の出来高は24億1789万株。売買代金は1兆8441億円。騰落銘柄数は値上がり1450銘柄、値下がり234銘柄、変わらず68銘柄。

市場からは「先物主導ではなく、まんべんなく実弾買いが入り、じりじりと上昇した。上値を抑えられてきた5日移動平均線を上回り、目先戻りのきっかけができた格好だ。ただし、米財政問題の進展期待につながる海外メディア報道が株価上昇の背景要因とされ、実際に決着した訳ではなく、まだ一喜一憂の可能性がある」(準大手証券)との声が聞かれた。

業種別では、三井不<8801、株価 - チャート>、住友不<8830、株価 - チャート>などの不動産株に買いが継続し、値上がり率トップを維持。オリックス<8591、株価 - チャート>、興銀リース<8425、株価 - チャート>などのその他金融株や、大和証G<8601、株価 - チャート>、野村<8604、株価 - チャート>などの証券株も上昇。NKSJHD<8630、株価 - チャート>、第一生命<8750、株価 - チャート>などの保険株も堅調。トヨタ<7203、株価 - チャート>、日産自<7201、株価 - チャート>などの自動車株も値を上げた。新日鉄住金<5401、株価 - チャート>、JFE<5411、株価 - チャート>などの鉄鋼株や、国際帝石<1605、株価 - チャート>、石油資源<1662、株価 - チャート>などの鉱業株も引き締まった。

個別では、13年9月中間期の連結業績予想を上方修正した太平洋セメ<5233、株価 - チャート>が上昇基調を保ち、同社系列のデイシイ<5234、株価 - チャート>は一時ストップ高。日立<6501、株価 - チャート>とビッグデータ利活用事業で協業合意のブレインパッド<3655、株価 - チャート>や、自社株買いを発表したライフコーポ<8194、株価 - チャート>も値を上げた。リケンテクノス<4220、株価 - チャート>、A&Aマテ<5391、株価 - チャート>などの上げも目立った。

半面、米系証券が当面の好材料は織り込み済みと判断したソフトバンク<9984、株価 - チャート>や、ヤフー<4689、株価 - チャート>などの情報通信株に売りが継続し、値下がり率トップのまま。東電<9501、株価 - チャート>、中部電<9502、株価 - チャート>などの電力株も軟調。空運株では、JAL<9201、株価 - チャート>がさえない。個別では、13年8月中間期ならびに14年2月期の連結業績予想を下方修正し、配当減額のエコーTD<7427、株価 - チャート>や、14年2月期の連結利益予想を下方修正したパル<2726、株価 - チャート>が軟調に推移。14年2月期の連結業績予想を下方修正した一六堂<3366、株価 - チャート>や、Uアローズ<7606、株価 - チャート>、三協立山<5932、株価 - チャート>などの下げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が上昇した。