日経平均は続伸。60.93円高の13955.54円(出来高概算12億6000万株)で前場の取引 を終えた。8日の米国株式相場は続落となり、NYダウは1ヶ月半ぶり安値をつけた。米国 債デフォルトへの警戒感から終日軟調推移となるなか、日経平均は100円を超える下げ で始まった。ただ、寄り付き直後につけた13751.85円を安値に、その後はじりじりと下 げ幅を縮めるなか、前引けにかけてプラスに転じている。 セクターでは不動産、鉱業、証券、その他金融、輸送用機器、石油石炭、非鉄金属、 パルプ紙、保険などが堅調となり、売り先行後は軒並み上昇に転じている。一方、利益 確定の流れが続いているソフトバンク<9984>が一時5%を超える下げをみせるなか、情 報通信が下落率トップに。東証1部の騰落銘柄では、値上がり数が全体の過半数を占め ている。 売り優勢で始まったがその後の切り返しにより、結果的には日経平均は9月3日に空け たマド上限で踏ん張りをみせた。一目均衡表ではいったん割り込んだ雲上限を上放れて きており、安心感につながりそうである。ただ、ソフトバンク<9984>が大きく調整をみ せる一方で、不動産などの強い動きを見る限りでは、ソフトバンクの利益確定に対し、 不動産などの買い戻しといったポジションにシフトチェンジにしてきているように映 る。 東京五輪開催決定前の水準までの調整により、反対売買を出しやすい水準でもあろ う。材料系の銘柄なども25日線や一目均衡表の雲など、仕切り直しの水準までの調整を 経て、リバウンドをみせている銘柄も少なくない。円相場は1ドル97円25銭辺りと、朝 方からは円安に振れていることもあり、買い安心感はある。しかし、米債務問題を抱え るなか資金回転は速く、上値追いは割り切りスタンスになりそうだ。