9日の東京市場は調整ムードの強い相場展開になりそうだ。8日の米国株式相場は続 落となり、NYダウは1ヶ月半ぶり安値をつけた。引き続き、債務上限問題と2014年度 予算に関して交渉の前提条件で相容れない状況に変化はなく、米国債デフォルトへの 警戒感から終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大証比170円安の 13760円となり、日経平均は直近安値水準での攻防となろう。 また、ADR(米国預託証券)でソフトバンク<9984>が円換算で200円超下げており、 日経平均の重しとなる可能性がありそうだ。8日の日経平均は一目均衡表の雲上限を 一時割り込む局面をみせていたが、大引けにかけては値ごろ感からの買いによって雲 上限を上回っていた。再び雲上限を割り込む可能性があるほか、雲下限が位置し、9 月3日に空けたマド埋めとなる13600円処への下げが警戒されてきそうだ。 一方、米アルミ最大手アルコアが発表した7-9月(第3四半期)決算は、売上高及び 利益ともに予想を上回り、時間外取引で上昇。また、8日大引け後に4-9月期(第2四 半期)業績の上方修正を発表した太平洋セメント<5233>は、ADRで3%超の上昇となっ ている。米財政不安が警戒される状況のなかであるが、決算シーズンに入り、好業績 銘柄などへの冷静な物色がみられるかが注目される。 そのほか、自民党は福島第1原発の事故収束や福島復興に関する政府への提言案を まとめた。廃炉や汚染水対策、除染、賠償などで国の関与を強める「福島復興加速化 特別措置法」の制定を求めており、除染関連などへの手掛かり材料になりそうであ る。そのほか、ノーベル物理学賞でのヒッグス粒子関連や北朝鮮の原子炉再稼働を受 けた防衛関連などの材料系銘柄に短期資金が向かいやすいだろう。