<為替> 8日終盤のニューヨーク外為市場では、ドル/円がアジア市場でつけた2カ月ぶりの安値からやや持ち直したものの、上値は抑えられた。米国では暫定予算と債務の法定上限引き上げをめぐる協議が依然として難航しており、この問題について政治対立が続く限り、ドルは売り圧力にさらされる可能性が大きいとみられている。

終盤のユーロ/ドルは0.1%安の1.3574ドル。ドイツの8月鉱工業生産指数が予想外の低下となったことへの反応は乏しかった。

<債券> 8日の米金融・債券市場では国債価格が総じて下落。政府機関の一部閉鎖や連邦債務上限引き上げ問題をめぐり目立った進展は見られず、不透明感から下げは小幅にとどまった。

<株式> 8日の米国株式市場は大幅続落。難航する米財政協議に進展の兆しが見られないなか、年初来の上昇率が高い銘柄を売って利益を確定する動きが広がった。個別銘柄では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブック<FB.O>が6.7%下げ、ナスダック100種指数の構成銘柄の中で下落率の大きさが際立っていた。ビジネス向けSNSのリンクトイン<LNKD.N>は6.1%安。オンライン動画配信のネットフリックス<NFLX.O>は5%値下がりした。

<金先物> 8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は米財政問題でこう着状態が続く中、ほぼ横ばいで取引を終了した。金相場は安寄りした。いまだ米財政問題解決への進展は見られない。これを受けて、市場の様子見姿勢が強まり、金相場は動きづらい地合いとなった。また、米政府機関閉鎖に伴い米主要経済指標の発表延期が相次いでいることもあり、金相場は新規材料難で方向感に乏しかった。ただ、外為市場で一時的に対ユーロでドル安が進行。このため、ドル建ての金相場は相対的な割安感から買われた場面があった。さらに、米株価の下落を眺めて、金の「質への逃避買い」やショート・カバーも入り、午前中には1330ドル台まで上昇した。

<米原油先物> 8日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米連邦債務上限引き上げ問題の打開への期待を背景に、反発した。前日に反落した原油相場は、時間外取引中に買い戻されプラス圏で寄り付いた。米上院の民主党は、今後1年間に限り連邦債務上限の引き上げを認める法案を、今週中に可決する方向で調整を開始した。ただ、共和党は債務問題解決には与野党間の協議が必要との立場を崩しておらず、原油相場は103ドル台後半でもみ合いが続いた。需給関連では、米エネルギー情報局(EIA)などの在庫週報待ちとなっている。ロイター通信によると、政府機関の閉鎖が続く中も今週の週報は発表される見込みだという。