<株式> 続落し7月以来3カ月ぶり安値で引けた。弱い英小売売上高や証券会社の投資判断引き下げで小売株が下落した。米財政問題も引き続き市場心理を圧迫した。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は71.45ポイント(1.11%)安の6365.83。出来高は90日平均の88%と低めだった。
英小売協会(BRC)が発表した9月の小売売上高は2カ月連続で伸びが鈍化した。
小売株指数<.FTNMX5370>は1.9%下落。
マークス・アンド・スペンサー(M&S)<MKS.L>は3.4%安となった。ドイツ銀行は同社の通期利益見通しを2%下方修正し、バーンスタインは同社の投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げた。
BHPビリトン<BLT.L>も1.9%安。9月の中国サービス部門購買部担当者景気指数(PMI、季節調整済み)の低下が重しとなった。
FT100種総合指数の構成銘柄は売上高で米国への依存が強いため、DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>など他の欧州指数よりも米財政問題の影響を受けやすい傾向がある。
欧州株式市場は下落。米債務上限の引き上げ期限があと9日に迫る中、財政協議の行き詰まりをめぐり懸念が高まっている。
また医療テクノロジーのゲティンゲ<GETIb.ST>が業績見通しを下方修正したことで売られ、ヘルスケアセクター全体の下げを主導した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は9.82ポイント(0.79%)安の1231.27。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は19.69ポイント(0.67%)安の2903.35。
ゲティンゲは商いを伴って10.3%急落。買収の業績押し上げ効果の遅れや為替変動などを理由に、利益見通しを下方修正した。
STOXX欧州600ヘルスケア株指数<.SXDP>は1.2%下落。
ノバルティス<NOVN.VX>は1.25%安、グラクソ・スミスクライン<GSK.L>は1.1%安。JPモルガン、ベレンベルグによる株価目標引き下げが弱材料となった。
<ユーロ圏債券> スペインやイタリアをはじめ大半の国債利回りが上昇。米国の予算協議難航や連邦債務上限引き上げ期限の接近が圧迫した。
スペインとイタリアはシンジケート団引き受け方式での国債発行を計画していることも重しとなった。
イタリアはシンジケート団を通じ7年債を、スペインは30年債を、それぞれ発行する。
スペイン10年債利回りは10ベーシスポイント(bp)上昇の4.31%、イタリア10年債利回りは6bp上昇し4.35%となった。
市場の関心は、政府機関の一部閉鎖が2週目に入った米国の動向に引き続き集まっている。
コメルツ銀行のストラテジスト、マイケル・ライスター氏は「合意しなかった場合の壊滅的な影響を考えれば、(米与野党間で)なんらかの合意が得られるとの見方で誰もが一致しているが、同時に、期限ぎりぎりまで合意は実現しないとの確信もある」と指摘。「それまでは不透明感やリスク回避が優勢となる」との見方を示した。
ポルトガル10年債はユーロ圏諸国の中でこの日唯一、利回りが低下した。同国中銀が2013年の成長率見通しをより小幅なマイナスに上方修正したことを好感した。
中核国では独連邦債が売られた。堅調な国内経済指標を受けた英国債の下落に追随したほか、オランダ国債の発行を受けた需給悪化が重しとなった。
10年物独連邦債先物は9ティック安の140.22。連邦10年債利回りは1bp上昇の1.81%。