1.米国政府機関は10月1日から一部閉鎖に入った
2.一部閉鎖期間が短ければ市場への影響は軽微
3.土壇場で米国債務上限引き上げ問題が解決する可能性もまだ残っている
4.決算シーズンでは一部閉鎖の影響を経営者がどう見ているかに注目

米国政府機関一部閉鎖が続いている

 米国議会は10月に入っても予算策定が出来ず、政府機関は10月1日から一部閉鎖に入りました。これに伴い先週金曜日に予定されていた雇用統計の発表も延期されました。

 米国株式市場は軟調な展開ですが、パニック売りという状況ではありません。先週、ダウ工業株価平均指数は-1.2%下げましたがS&P500指数はほぼ変わらず、ナスダック総合指数は+0.7%でした。

 投資家の不安を示すと言われるS&P500ボラティリティ(VIX)指数も、多少動意付いているものの、まだ歴史的に見て最安値に近い水準であり、投資家が米国政府機関一部閉鎖を冷静に受け止めていることがわかります。

政府機関一部閉鎖の歴史

 今回のような政府機関一部閉鎖は1976年以来、17回起こりました。平均して一部閉鎖になった期間は6日間でした。

 一部閉鎖期間のS&P500指数の平均パフォーマンスは-0.8%でした。このことからも一部閉鎖が短期間で解決した場合、マーケットに与える悪影響はそれほど大きくなかったことがわかります。

 しかし一部閉鎖期間が10日を超えたケースでは市場は平均して-2.6%下落しています。さらに一部閉鎖期間が長引いた場合、その後のマーケットの立ち直りも鈍かったことが知られています。