もうみなさんはNISA(ニーサ)をどう活用するか、方針は立てただろうか。NISAとは2014年から始まる、少額投資非課税制度のこと。専用口座を開設することで、株など売却した時の利益が非課税になる制度だ(詳細はこちら)。しかし株の税金にかかわるニュースはNISAだけではなかったのだ!

株の売却益への課税額は来年からなんと2倍に!

 同じタイミングで、株などを売って得た利益に対する税金、すなわちキャピタルゲイン課税が、10%から20%に変更されるのだ。

 例えば今年の12月30日の時点で、保有株の含み益が50万円あったとする。これをその日中に売却すれば、50万円×10%で支払う税金は5万円(復興税除く概算)。しかし同じ株価で年明け1月4日に売ったとすると、50万円×20%で10万円の税金を支払うことになる。利益は同額なのに、たった1営業日変わるだけで支払う税額が5万円も差がつくのだ。

 つまり得られる利益が同じという前提なら、株はいったん年内に売却したほうが得、ということだ。

秋は買い手不在で株価の調整が本格化か?

 「10月中旬から年末にかけて軟調な相場が予想されます。多くの個人投資家は、株などのキャピタルゲイン課税の税率がアップする前に、いったん利益を確定させる動きに出る」

 と指摘するのは、SBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之さんだ。

 「しかも、買い直すならNISA口座でと考える投資家は、新たな買いは年明けまで待つので、年末は買い手不在となりそう」(藤本さん)

 しかも、11月は5月の急落前に高く積み上がった、信用取引の決済期日(6カ月後)を迎える。“高値づかみ”をした投資家の投げ売りも想定されるため、少なくとも強気で臨める情勢ではない。

 とはいえ、むやみに悲観視する必要はない。年が明ければ一転、買い控えていたNISA組の買いが見込めるからだ。概して企業業績は回復を遂げており、株価がどこまでも売り込まれる展開は想定しがたい。

 「企業業績の大幅回復で年末のボーナスは久々に高水準が期待できるうえ、消費増税前の駆け込み需要も見込まれることから、来年1月以降の株価は堅調でしょう」