3日午前の米株式市場の取引で、電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズ<TSLA.O>の株価が続落し、一時7%超値を下げた。主力の電気自動車「モデルS」のバッテリー火災を受け、アナリストの間で販売が落ち込む公算が大きいとの見方が広がっている。

「モデルS」の出火は1日午前、ワシントン州シアトル近郊で発生。同車が炎上している写真やビデオがインターネット上に掲載されたことを受け、テスラの株価は前日、6.2%下落した。

RWベアードのアナリスト、ベン・カリョ氏は、今回の問題が引き金となり、販売ペースが減速するとの見方が広がるとの見方を示した。同氏は2日、同銘柄の投資判断を株価水準を理由に「ニュートラル」に引き下げている。

テスラの広報担当は、「大きな金属製の物体が、モデルSのバッテリーパック内にある16モジュールのひとつにぶつかったことが出火の原因」と確認。そのうえで、出火による損傷を限定的にするデザインによって、火災は車両前方部の一部にとどまったと説明した。

地元消防局の報告書によると、火はいったん消し止められたものの、車体の下部で再び発火。消防隊はバッテリーパックに複数の穴を開け水を注入し、消火に至った。

「モデルS」のバッテリーを供給しているパナソニック<6752.T>はコメントを差し控えている。

自動車メーカーの間では、リチウムイオンバッテリーの使用が広がっている。米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>のプラグイン・ハイブリッド車(HV)「シボレー・ボルト」や、フォード・モーター<F.N>の「Cマックス」などにも搭載されている。