メリットたっぷりのNISA(少額投資非課税制度)だが、その上手な活用法は1人ひとりで異なってくる。資産額や投資経験、運用目的などでタイプ分けをして、開設すべき金融機関と投資方法や金融商品を紹介しよう。

非課税だからといってNISAで

投資自体を目的としてはダメ!

 投資の利益や配当(分配)金の税金がゼロになると聞くと、「これは投資をしないと損だ」と思いがち。しかし、NISAの利用に当たり、最も注意すべきことは、NISAで投資すること自体を目的化させないことだ。

 投資経験が乏しくリスク商品に不慣れな人が、NISAだからといって高リスクな商品に虎の子の老後資金を投じてしまっては本末転倒だ。

 投資とは人生プランに沿った運用目的に従って行なうもの。そして、個々で異なる保有する資産額、投資経験に裏打ちされたリスク管理などのスキルによって、最適な投資プラン、適した投資商品は決まってくる。

 例えば50代で老後資金作りが目的の人と、60代で退職金を老後資金として取り崩しながら運用する人とでは、最適な運用商品が違ってくる。

 運用中の100万円から50万円の損失が出たとしても、運用資産が数千万円ある人と、その100万円しかない人とではダメージは大きく違う。つまり、リスクの取れる人と取れない人がいるのだ。

 まずはマトリックスを見て、自分の資産額と投資経験(投資スキル)の多寡によるタイプ分けを見て欲しい。