クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、指標のiTraxxJapa
nシリーズ20<ITJJP5Y=GF>は動意薄。気配は91─95ベーシスポイント(bp)と、
前日引け(95.75bp)と比べてやや低めの水準が示された。米財政問題をめぐる協
議の行方は依然として不透明なものの、暫定予算案や債務上限引き上げはいずれ片付けな
ければならない問題との見方もあり、極端な警戒感からリスクオフに動くことはなかった
という。
CDS市場で、指数のiTraxxJapanシリーズ20は午前に90─94bp
、午後に91─95bpと、前日引け(95.75bp)の水準と比べてタイト気味の気
配が観測された。米議会で、暫定予算案や連邦債務上限引き上げ問題がなかなか進展しな
いため、投資家、ディーラーともに動くに動けない状況になったという。
米議会は医療保険改革法(オバマケア)をめぐる対立から暫定予算案について合意で
きず、一部政府機関が閉鎖に追い込まれるという異常事態に陥ったうえ、米経済指標の発
表遅延という問題も視野に入り、「身動きできない局面になった」(市場筋)との指摘が
あった。リスクオフにしようにも、事態が好転する可能性もある一方、見通しにくい局面
でリスクオンにも動きにくいという。
ただ、気配が低下気味に推移したのは、暫定予算案についてはいずれ合意するとみら
れているほか、17日に期限が迫っている連邦債務上限引き上げをめぐる懸念についても
、「米国債の利払いに支障をきたすデフォルト(債務不履行)を、米議会は絶対回避する
はず」(外資系証券)との見方が根強いため。
1日の米国市場では、ダウ工業株30種<.DJI>が62.03ドル高となったほか、
CDSでも投資適格級銘柄で構成するIG21指数は1.5bpタイト化して80.5
で取引を終了した。米国ソブリン(ユーロ建て)も落ち着いた動きを見せているという。
日本株の大幅下落については、反応薄。「テクニカル的な動きで、材料視しなかった
」(市場筋)との声が聞かれた。日経平均株価<.N225>は前日比314円安と、9月6日
以来の安値水準で引けた。
個別銘柄も動意の乏しい状況。取引されたのは旧5年(2018年9月償還)と新5
年(2018年12月償還)のロールで、住友商事<8053.T><0#8053=JFI>が2.75bp
、丸紅<8002.T><0#8002=JFI>が5.75bpとなった。