<10月発行の10年政保債、予約の積み上がりは約7割程度>

10月発行の政府保証債(期間10年)の発行条件が2日、利率0.699%、発行
価格100円に決まった。国債利回りに対する金利の上乗せ幅(スプレッド)は第330
回国債利回りプラス4.0bp、国債利回り曲線(カーブ)に対してはプラス3.5bp
となった。カーブスプレッドは前月比で横ばい。
予約の積み上がりはおおよそ7割程度で、完売するまでに至らなかったという。国債
金利が想定以上に低下したことで、投資家は下期入りで潤沢な運用資金を抱えているとは
いえ、慎重な運用姿勢で臨むところもあった。一方、期初から利息収入を得たい投資家の
需要を取り込んで完売する業者もいたようだ。前月債のプライシング時と比べ、流通実勢
は国債利回りプラス4─4.5bpと、一時ほどの堅調さはないものの、安定して推移し
ていることも買い安心感を誘った。結果として、スプレッドをワイド化させる必要性があ
るほど投資家需要は減退しなかったようだ。ただ、今後は消化が進まず、在庫があまりに
も膨らみ過ぎると、荷もたれ感が強まりかねないと警戒する声も聞かれた。
  発行の内訳は地方公共団体金融機構 0#0906=JFI(発行額550億円)、高速道路機
構 0#0905=JFI(同1600億円)、民間都市開発推進機構 0#0928=JFI(100億円)の
3銘柄・総額2250億円。
  
10月発行の地方債のスプレッドも横ばいとなった。信用力が高めの自治体で、5年
債が国債カーブに対してプラス3bp程度、10年債が国債プラス4bp程度になった。
  
  <CP発行総額は1500億円弱>
  
  CP市場の発行総額は1500億円弱となった。発行レートは弱含み横ばい。
a1格の電機が200億円(10月末期日、0.09%台後半)と220億円(12
月末期日、0.09%台半ば)、J1格の石油が300億円(2014年1月上旬期日、
0.091%付近)、a1格の別の石油が350億円(10月末期日、0.091%付近
)などの発行が観測された。