一方、マーケットの警戒感を強めたのは金価格の急落だ。1日のニューヨーク市場で
金先物<2GCZ3>は寄り付き直後に一気に約30ドル急落し、損切りの売りを巻き込み安値
まで下落した。その後は1290ドルを下回る辺りで下げ渋ったが、不安定な値動きが続
いている。

不安感が募ったのは、下落の理由がはっきりしなかったからだ。米政府機関の閉鎖を
めぐる懸念からの手じまい売りとの指摘がある一方、米政府機関閉鎖が短期間で終わる可
能性が大きくなったことからリスク回避の金買いが反転したと、正反対の解説もあった。

ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏は「下落の理
由が明確でないことが不気味だ。今年4月のように、金価格下落がリスク資産投資巻き戻
しの前兆である可能性もあるため、警戒が必要だろう」と話している。