カナダ銀行(中央銀行)のマックレム上級副総裁は1日、第3・四半期の成長率見通しを大幅に下方修正した。また、重要な輸出セクターの回復が想定より遅れる可能性があるとして、経済見通しが改善するまで低金利を維持する方針を鮮明に打ち出した。
上級副総裁によると、中銀の現在の成長率見通しは第3・四半期と第4・四半期ともに2─2.5%の範囲となり、来年に上向くという。今年7月の四半期金融政策報告では、第3・四半期は3.8%、第4・四半期は2.5%との見通しが示されていた。
上級副総裁は、カナダ経済が需給ギャップを有意に縮小するためには最低でも2.5%の成長が必要になると指摘。そうした縮小が始まるのは来年以降になると予想した。
中銀は23日の最新の四半期金融政策報告で、成長率のより詳細な見通しを公表する。
中銀の政策金利は2010年9月以降、過去最低に近い1%の水準に据え置かれたままだ。
これについて上級副総裁は「インフレが落ち着いているので、金融政策は非常に刺激的な形を維持して輸出や投資の回復が着実になるための時間を提供している」と述べた。
ロイターが8月に市場関係者を対象に実施した調査では、中銀が利上げを始めるのは来年第4・四半期とみられている。
中銀によると、家計と政府支出の成長率に対する寄与度はプラス1.5%ポイント程度であることから、2.5%の成長を達成するには、純輸出と投資の寄与度が最低でもプラス1%ポイントになることが求められる。
上級副総裁は「つまり輸入を考慮に入れた後で、輸出と投資は合わせて最低約4%伸びなければならない」と強調する一方で、過去1年間の純輸出と投資の成長率への寄与度はゼロだったと説明した。
米政府機関の閉鎖について上級副総裁は、短期間にとどまれば比較的影響は小さいだろうが、1995─96年のように長引くようなら、より深刻な影響が生じかねないとの懸念を表明した。