名実ともに下期相場入りとなる10月1日の日経平均株価は前日比62円18銭高の1万4517円98銭で寄り付いたあと、上げ幅を広げ、一時1万4552円41銭(前日比96円61銭高)を付ける場面があった。対ドル、対ユーロでの円安推移や、前日の大幅安の反動から、買いが先行。市場では、「全体的に買い戻しが目立つ」(国内証券)との声が聞かれた。9月30日の米国株式市場では、米議会で暫定予算をめぐる法案の与野党対立が続き、期限とされる9月30日までの成立を不安視する見方が強まり、NYダウ、ナスダック総合指数ともに続落したが、東京市場ではきのうポジション整理が先行していたこともあり、落ち着きを見せている。

午前8時50分に発表された9月の日銀企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス12となり、市場予想のプラス8を上回った。これを受け、円相場はやや弱含んだ。

業種別では、13年9月中間期および14年3月期の連結業績予想を上方修正した神戸鋼<5406、株価 - チャート>や、新日鉄住金<5401、株価 - チャート>などの鉄鋼株が上昇。野村<8604、株価 - チャート>などの証券株や、第一生命<8750、株価 - チャート>などの保険株も高い。LIXILG<5938、株価 - チャート>などの金属製品株も堅調。大成建<1801、株価 - チャート>などの建設株や、三菱地所<8802、株価 - チャート>などの不動産株も引き締まっている。トヨタ<7203、株価 - チャート>などの自動車株や、パナソニック<6752、株価 - チャート>などの電機株もしっかり。

個別では、13年9月中間期連結予想は一転黒字、14年3月期予想も利益増額の共和レザー<3553、株価 - チャート>がカイ気配。13年9月中間期および14年3月期の連結業績予想を上方修正し、配当も増額した日精工<6471、株価 - チャート>や、大手液晶メーカーから検査関連装置29億円を受注したVテク<7717、株価 - チャート>も上昇。13年9月中間期の連結業績予想を上方修正したハピネット<7552、株価 - チャート>も高い。

半面、NY原油先物安を映し、昭シェル<5002、株価 - チャート>などの石油株や、国際帝石<1605、株価 - チャート>などの鉱業株が軟調。オリックス<8591、株価 - チャート>などのその他金融株も売られている。日本紙<3863、株価 - チャート>などのパルプ紙株や、東レ<3402、株価 - チャート>などの繊維製品株も安い。個別では、13年9月中間期および14年3月期の連結業績予想を下方修正したOKK<6205、株価 - チャート>や、13年9月中間期および14年3月期予想の連結赤字拡大、無配転落の邦チタ<5727、株価 - チャート>、14年2月期の連結利益予想を下方修正したスター精密<7718、株価 - チャート>が下落。アダストリアHD<2685、株価 - チャート>、京三製<6742、株価 - チャート>などの上げも目立つ。

東証寄り付き前段階での主要外国証券経由の注文動向は、「6社ベースで、売り860万株、買い1650万株で、差し引き790万株の買い越し」(外資系証券)。午前9時22分時点の東京外国為替市場は、1ドル=98円台前半(前日終値は1ドル=97円88銭-89銭)、1ユーロ=132円台後半(同1ユーロ=132円13銭-17銭)で取引されている。