野村証券の試算によると、上場事業法人の持合い株式の含み益は、2013年9月末時点で3月末比32%増の15.36兆円になった。アベノミクス効果への期待から株価が回復したため、含み益が拡大した。
試算の対象は3月期決算の上場事業会社で、社数は1830社。野村のシニアストラテジスト、西山賢吾氏によると、含み益の水準は22.97兆円だった06年度末に次ぐ高い水準。
ただ、株高という環境の援護があっても、事業会社の政策保有目的の株式の見直しは「あまり進んでいないもよう」(西山氏)という。保有株の削減・圧縮が行なわれないと、株価が下落した際に財務に与える影響が懸念される。このため西山氏は、当面は株高が見込まれるなかで「保有株の見直しや圧縮が13年度下期以降進むことが期待される」と述べている。