30日の東京市場は、不安定な相場展開になりそうだ。米国では30日までに新年度予 算が成立せず、10月1日から政府機関の一部が閉鎖される公算が大きくなったと報じ られている。円相場は1ドル97円台後半と先週末の水準から円高に振れている。ま た、日本では10月1日に発表される9月の日銀短観を受け、安倍首相が消費増税を決断 するかが注目されている。これらを見極めたいとする手控えムードのなか、ポジショ ン調整的な売りが警戒されそうである。 日経平均は調整を意識。足元では14800円処で上値の重さが意識されているが、ボ リンジャーバンドの+1σと+2σとのレンジ相場が継続。高値圏でのこう着で+1σに接 近しており、過熱感の後退とともに反発が期待されるところではある。しかし、米政 府機関の閉鎖が濃厚と伝えられるなか、金融市場の混乱が警戒されやすい。+1σは 14616円辺りに位置しているが、これを下回る格好での調整が意識されそう。一方、 即日陽転シグナルを発生させたパラボリックのSAR値は14420円辺りに位置する。これ にタッチすると再び陰転シグナルを発生させてくるため、同水準までの調整は避けた いところである。 物色の流れとしては先物主導によるプログラム売りなどが意識されるため、主要銘 柄は手掛けづらいところ。そのため、個人主体による材料系の銘柄に短期的な値幅取 り狙いの資金がシフトしやすいだろう。千代田化工建設<6366>は2015年度に川崎市 で、世界初となる水素燃料の大型供給基地を建設すると報じられており、燃料電池車 関連など。また、10月は学会シーズンともなり、先週辺りからリバウンドをみせてき ているバイオ関連。また、相対的に出遅れ感の強い低位材料株などは、水準訂正を狙 った流れに向かいやすいだろう。 なお、27日のNY市場でダウ平均は70.06ドル安の15258.24、ナスダックは5.84ポイ ント安の3781.59。シカゴ日経225先物清算値は大証比110円安の14630円。ADRの日本 株はトヨタ<7203>、三井住友<8316>、キヤノン<7751>、ブリヂストン<5108>、ソニー <6758>、京セラ<6971>など、対東証比較(1ドル98.24)で全般軟調だった。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・日銀のETF買い入れに対する思惑 ・NY金反発、米国債券利回り低下によるドル安で買い戻し優勢 ・LMEニッケル、上昇 ・東証REIT指数、4日続伸 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値14630円、大証比110円安 ・NYダウ反落、債務上限問題への警戒感高まる ・米半導体SOX指数、続落 ・米政府機関、暫定予算で与野党譲らず閉鎖の恐れ ・欧州株式市場、イタリア政局不安が重しとなり軟調 ・ドル/円、円高進行(97円86-90銭) ・ユーロ/円、円高進行(132円04-08銭) ・バルチック海運指数、続落 留意事項 ・NISA口座、来月1日の申請300万件に ・銀行団、東電<9501>向け融資合意へ ・8月国内建設受注額、前年同月比15.7%増 ・川重<7012>、米で380億円受注へ ・パソコン用DRAM大口価格、韓国大手の火災で急上昇 ・東電<9501>社長、「今年度黒字に」 ・国交省、20年までに電線の地中化を検討 ・消費増税、賛否が拮抗 ・千代建<6366>、世界初の燃料電池車向け大型水素基地 ・NY原油先物、小幅反落(1バレル=102.87ドル) ・米長期金利、低下(10年債利回り2.631%) ・長期金利、低下(10年債利回り0.680%) ・8月鉱工業生産指数 ・8月住宅着工統計 ・7月電子部品グローバル出荷、電子材料生産実績 ・中国9月HSBC製造業PMI(改定値) ・ユーロ圏9月消費者物価指数 ・米9月シカゴ連銀購買部協会景気指数 ・米9月ダラス連銀製造業景況指数 ・国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し [サポート&レジスタンス] 終値 14760 5日移動平均 14731 標準偏差+2σ 15113 レジスタンス(2) 14877 レジスタンス(1) 14819 ピボット 14759 サポート(1) 14700 サポート(2) 14641 転換線 14525 25日移動平均 14120 100日移動平均 14012 基準線 14003 先行スパンA 13876 先行スパンB 13685 標準偏差−2σ 13128 200日移動平均 12811