3PL(物流一括受託)大手のハマキョウレックスは9月27日、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスの3PL子会社との間で10月1日付で予定していた株式交換契約を解除するとともに、SG側と予定していた資本・業務提携も中止すると発表した。SG側からの申し入れをハマキョウ側が27日に受け入れた形になる。

 ハマキョウとSG側が5月に合意していた提携スキームでは、ハマキョウがSGの完全子会社である佐川グローバルロジスティクス(SGL)と株式交換契約を締結。10月1日付でハマキョウがSGLを完全子会社とし、一方でSGがハマキョウの株式(議決権割合20%)を保有、ハマキョウの筆頭株主になる、という内容だった。ハマキョウとSGLが6月に開いたそれぞれの株主総会で承認を得ていた。

9月に入ってSG側から突然申し入れ

 ハマキョウ側によれば、SG側から9月に入って突然、株式交換後の具体的な事業内容が十分に詰まっていないとの申し入れがあり、協議期間の延長が提案されたという。

 その後、ハマキョウはSG側と協議継続の可能性を探ってきたが、合意に至らず、SG側が9月24日に開催した取締役会等で、同契約の中止を決定するに至った。

 SG側によると「両社のシナジー効果を創出するための協議が不十分であり、現状のまま、重大な契約である株式交換を実施するには時期尚早と判断した」としている。これに対してハマキョウ側は、24日にSG側から契約中止の通知を受け、検討した結果、27日に開催した取締役会で株式交換中止を決議した。

 そもそも今回の提携協議については、昨年秋からデューデリジェンス(M&Aを行う際に前もってなされる資産調査など)が進められ、5月17日に契約を締結。ハマキョウ側によれば、「実務レベルで協議は順調に進んでいた」(同社)。