米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は27日、証券取引委員会(SEC)が進めるマネー・マーケット・ファンド(MMF)市場の改革案について、同案の主要な部分はむしろ改革を後退させるものとし、一部撤回を求めた。

同総裁は、現在もなお残っている金融安定への問題に対処するための改革が必要との考えを示し、SECの提案の一部は金融不安定化のリスクを増大させる恐れがあるとして、撤回するよう求めた。

SEC提案のなかでFRBが注視しているのは、金融ストレスが増大した際、MMFに対し資金引き出しの禁止、もしくは料金の徴収を許可するとする条項。FRB当局者は、こうした措置はパニック発生時の資金引き出しを悪化させる可能性があるとして懸念を示している。

ローゼングレン総裁は、「こうした変更は(MMFから)資金を引き出そうとする動きを加速させる可能性がある」とし、問題が起きていないファンドにも資金流出の動きが波及するリスクが高まる恐れもあると述べた。