MARS投資で集めた8億ドル以上の資金を消失させたMRIインターナショナルの事件で、米証券取引委員会(SEC)は26日、同社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長の資産の差し押さえ手続きが認められたと発表した。社長の会社への資金横流し、高級車の購入、離婚した家族への慰謝料や養育費など私的流用も明らかにされた。
MRI社は日本の支社を通じて、MARS投資なる投資商品を販売。米国の診療報酬債券を買い取るというもので、元本を保証した上で年利6%以上を提供するなど魅力的な条件で約8000人もの日本人投資家から、8億ドル(約800億円)もの資金を集めた。
SECによると、ネバダ州の連邦地裁がSECの訴えを承認したもので、ラスベガス、ハワイ、ビバリーヒルズなどの資産も差し押さえられたという。
資金の使途であるが、「典型的なネズミ講方式で以前の投資家のために元本と利息を支払うために、新たな投資家のお金を使用していた」と断定。さらに、フジナガの高級車購入代金、クレジットカードの請求書、慰謝料、養育費の支払いに充てられていたといい、離婚した家族のための支払いがあることも明らかにした。
SECのディレクター、ジョージ・カネロス氏は「フジナガらは安定したリターンだとして騙して勧誘し、日本の投資家の利用した」とし、詐欺的行為であることを指摘した。また、今後は日本の証券取引等監視委員会などと連携して調査を行うことも明言している。
日本では被害対策弁護団も結成され、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガについて、詐欺容疑で東京地検と警視庁に告訴状を提出している。