午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べて若干ドル安/円高の98円後半。日経平均株価<.N225>が午後3時にかけて急速に下げ幅を拡大すると円買いに振れた。ただ、投機筋は積極売買を見送っているとされ、ドル/円の下げは限定的だった。
月末・期末を控えた五・十日に当たるこの日は、実需筋の売買が中心となった。ドル/円は朝方に98.80円まで強含んだが、仲値公示を経て98.55円まで下落した。「輸出企業がかなり売っていた」(邦銀)との声が出ていた。
実需筋の売買が一巡すると、ドル/円は98円後半で停滞。「98円前半では買い需要があるものの、98円後半では動きにくい」(大手信託銀行)との声が目立った。
日経平均株価が大引けにかけて下落基調を強めると、ドル/円に再び下方圧力がかかった。ただ、ドル/円は仲値通過後の安値98.55円を下回るには至らなかった。「ドル/円の方向感が出ていないので投機筋は手を引いている」(大手邦銀)との声が出ていた。
この大手邦銀関係者は「本邦勢にとっては月末、期末で下手なことはできない。次の米国雇用統計までは方向感のない相場展開が続くのではないか」と指摘した。9月米雇用統計は10月4日に発表される。
同関係者はまた、日本サイドの要因として、消費税引き上げの場合に打ち出される見通しとなっている経済対策への日経平均株価の反応に注目している。