LIXILグループ<5938.T>が買収を検討していると報じられた欧州浴室用品最大手の独グローエ<GROH.UL>は、26日にも新規株式公開(IPO)申請の手続きを開始する可能性がある。

グローエを所有するプライベート・エクイティ(PE)のTPGキャピタル<TPG.UL> とクレディ・スイス<CSGN.VX>のPE部門は40億ドル前後でのグローエ売却交渉がまとまらない場合に備え、IPOの申請も同時に検討しているという。

関係筋2人が明らかにした。

関係筋の1人は「両方とも依然選択肢だ。週内にIPOの申請手続きに入っても両にらみの展開が続く」と明かした。

株式上場は通常、上場意思の開示後およそ4週間を要するため、その間も売却交渉が続く公算が大きいとしている。

関係筋によると、LIXIが約30億ユーロ(40億ドル)の買収案を提示し、有力な買い手候補に浮上した。

グローエのIPO準備に関わってる筋はこれまで、上場時の同社の企業価値が32億─35億ユーロとなる可能性があるとの見方を示している。

グローエをめぐっては、LIXIのほか、スイスの上下水道機器メーカー、ギーベリッツ<GEBN.VX>、米フォーチュン・ブランド<FBHS.N>、ブラジルのデュラテックス<DTEX3.SA>も取得に関心を抱いているとされる。

しかしギーベリッツの広報担当者は、拘束力を伴う買収案は提示していないと明らかにした。また関係筋によると、米フォーチュン・ブランドは買収プロセスから撤退、ブラジルのデュラテックスも買収への関心が薄れている。

TPGとクレディ・スイスは2004年、BCパートナーズからグローエを15億ドルで買収した。

TPG、クレディ・スイス、グローエはいずれもコメントを控えた。

LIXILグループは買収の可能性は排除しないが、現時点で決定していることは何もないとしている。