ドヤ街(ドヤがい)とは、日雇い労働者が多く住む街のこと。東京の山谷や大阪のあいりん地区や横浜の寿町が特に有名である。
「ドヤ」とは「宿(ヤド)」の逆さことばである。旅館業法に基づく簡易宿所が多く立ち並んでいることからきている。

戦後の高度成長期、日雇いの仕事を斡旋する寄せ場に日雇い労働者が多く集まり、彼らが寝泊りする簡易宿所が寄せ場の周辺に多く開設されることでドヤ街が形成された。いわゆるスラムとは異なり、その地域全体が日雇い労働者のドヤで占めているわけではなく中産階級の住宅も存在しているのが大きな特徴である。そして住民構成も独身の男性の中高年者が多数を占めている点が、戦前の日本の貧民窟や第三世界のスラムとの違いである。この様な住民構成から、人口の再生産が行われず、街自体は活気が失われているが、その反面諸外国のスラムに見られるような治安や犯罪発生率の高さといった問題は顕在化していない。とはいえ、スラム同様に日雇い労働者に対する貧困克服政策が求められている。