前場の東京株式市場で日経平均は続落。下げ幅は一時130円を超えた。国内連休中の米国株安や円高を嫌気し、主力輸出株に利益確定売りが出たほか、不動産、金融などの内需系もさえない。
米連邦準備理事会(FRB)高官が依然として年内に金融緩和の縮小に着手する可能性があると示唆し、米金融政策への不透明感が広がっている。10月からの新会計年度を控え米債務上限引き上げ問題も懸念材料になった。
あすに9月中間期の配当権利付き最終売買日を控え、権利取りの動きから下げ渋る場面もあったが、日経平均の戻りは限定的で売り一巡後はもみ合い展開となった。市場では「米FRB幹部の発言を消化し切れずポジションを組みにくい中で、戻り売りなどが上値を抑えているが、主要国の景気回復が続き相場の地合いは悪くない」(内藤証券投資情報本部部長の浅井陽造氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、カナモト<9678.T>が軟調。20日に公募増資などで最大約79億円を調達すると発表し、1株利益の希薄化や需給悪化などが懸念された。半面、村田製作所<6981.T>、日本航空電子工業<6807.T>、フォスター電機<6794.T>などアップル関連株の一角はしっかり。新型「iPhone(アイフォーン)」の販売好調を材料視した。
東証1部の騰落数は、値上がり545銘柄に対し、値下がりが1067銘柄、変わらずが140銘柄だった。