イタリア自動車大手フィアット<FIA.MI>傘下の米クライスラー・グループは23日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請した。規模は最大1億ドル。
フィアットはクライスラーの全株式を取得する計画だが、IPOによりこの動きが遅れる可能性がある。
IPOではJPモルガン・チェースが引き受け主幹事を務める。売り出す株式数は申請文書には記載されておらず、クライスラーの担当者もコメントしなかった。
クライスラー株の41.5%を保有する全米自動車労組(UAW)の退職者向け医療保険基金(VEBA)とフィアットは、クライスラー株の売買に関して交渉していたが株価をめぐり意見が対立。VEBAは今年1月、保有するクライスラー株の一部をIPOを通じて売却することを決定した。これが今回のIPO申請に結び付く格好となった。
フィアット、クライスラー両社のセルジオ・マルキオーネ最高経営責任者(CEO)は9月中旬、IPOは2014年第1・四半期に実施する公算が大きいとの見方を示した。