領有権が両国の政治問題に浮上したのは、周辺海域の地下に天然資源が確認された1990年代後半からである。2012年4月には、海洋哨戒活動を強化させたフィリピン海軍がスカボロー礁に進入した中国漁船の立ち入り検査を行い、一気に緊張が高まった。これに反発した中国が海洋監視船を派遣し、フィリピン艦船と浅瀬でにらみ合う状況が2カ月近く続いた。この時、フィリピンは国際海洋法裁判所による仲裁を提案したが、中国は法理上自国の領土であることは明白として拒否している。