忽恵帖
釈文
忽恵書札、深以慰情。香
等以三日來也。從三日起
首、至九日、一期可終。
十日拂晨、將參入。願
留意相待。是所望。
山城石川兩大徳、深
渇仰望申意也。
仁王經等、備講師將
去未還、後日親將去
奉呈。莫々、責々也。因
還人、不具、沙門遍照状上。
九月五日
止観座主 法前
謹空
現代語訳
早速にお手紙をいただき、深く安心いたしました。お香などは3日にこちらに参りました。この月の3日からはじめて9日までで仏事が済みます。したがって10日の明け方発足してあなたさまの所へお伺いいたしましょう。どうか、そのおつもりでお待ちいただきたく存じます。山城と石川の両高僧も、深くあなたに帰依しており、その気持ちをお伝えしたいと望んでいます。
ところで法会のためにととのえた『仁王経しんのうきょう』などの経典は、国分寺の講師が持ち帰ったままで、まだ返して参りません。後日、わたくしが言って取り返してきます。どうぞあしからず、お許しくださいますように。帰りの使いにこの手紙を持たせます。よろしく。
9月5日