国債は政府が発行する借用証書ですが、私たち国民から見れば債権です。インフレで名目額が固定されている債権の価値が減じるということは、政府の借金の価値が実質的に軽くなったということです。なお、同じことは銀行預金にも言えます。
このように、インフレが政府にメリットがあるという裏を返せば、国民の税負担が増え、国民の資産が目減りしていることを意味します。
こうしたインフレに伴う国民の負担増はインフレ税と呼ばれます。
インフレ税は、所得税や消費税のように、国会で決められているわけではありませんので、ある特定の決まった税率がある訳でもなく、いわば目に見えない税負担といえます。ちなみに、インフレ税は財政民主主義に反しますし、租税法律主義や、予算原則にも抵触します。
つまり、インフレ税は目に見えない税であるがゆえに、私たち国民には認識しにくく、であるからこそ、政府から見れば私たち国民に意識させることなく「税」を課すことができますから、ある意味、とても便利な「税」であるともいえます。