002年(平成14年)3月4日午前3時過ぎ、27歳の神戸商船大学大学院に通っていた男性が友人を車で県営団地に送った際、山口組系の暴力団「西脇組」内「末原組」組長の38歳の男とスナック経営で組長情婦の35歳の女と偶然目が合ってしまった。突然男は男性を殴り、男性が掛けていた眼鏡が飛び、男とそれを仲裁しようとした友人ともみ合いとなり、男性が警察へ通報した。しかし男性の携帯電話を女が取り上げ、さらに女が末原組に連絡し組員を呼び寄せた。30歳、36歳、37歳の組員が駆けつけ、男性とその友人に殴る蹴るの暴行を加えた。意識がほとんど無くなった男性とその友人を組員らは自分らの車の後部座席に押し込んだ。

警察への通報から16分後に神戸西警察署井吹台交番の47歳の巡査部長、31歳の巡査、神戸西警察署のパトカーから33歳の巡査部長、29歳の巡査の4名が駆けつけた。さらに通報から20分後に事件現場から一番近い有瀬交番から39歳の巡査部長、27歳の巡査が駆けつけた。男性の友人は意識がもうろうとしたまま血だらけの状態で車から飛び出し、駆けつけた警官らに必死になって助けを求め、友人が車に乗せられているかもしれないと告げた。しかし警官らは、男性の友人が血だらけであり組長や組員らにも血が付着しているという状態にもかかわらず、組員らの車のナンバーを控えるのみで組長や組員らの身体検査や車を検めず、組長らが後日出頭すると言う言葉を信じ事件は解決したとその場を立ち去ってしまった。なお警察への通報は他に2件あったものの、警官が仮眠していたという理由から通報から到着が16分、最寄りからは20分掛かったと説明している。