日本で論議され始めたのは2000年ころのことです。経済がデフレのさなかにあったこのころ、中央銀行である日銀が市場に対してデフレ阻止の強い意思を明らかにすることによる効果を狙った金融政策の必要性が騒がれ始めました。
この定義の中で重要な言葉が二つあります。一つは「中期的」で、おおよそ1~2年間を指します。金融政策が発動されると、それが企業や家計の行動を変化させ、徐々に実体経済に影響が及んできますが、政策の効果が実際の形として大きく表れてくるには1年程度の時間を要すると言われています。
もう一つは「枠組み(フレームワーク)」です。インフレ目標政策は何が何でも数値目標を達成しなければならないという「義務(ルール)」ではなく、中央銀行が政策の実施にある程度の柔軟性を持てるようないわゆる「枠組み」であるという点が特徴的です。