午後10時30分、占拠部隊と人質を乗せたヘリコプターがフュルステンフェルトブルック空軍基地(Fürstenfeldbruck)に着陸した。基地には、占拠部隊を狙撃するために警察官が待ち構えていた。狙撃する警察官は軽装で、H&K G3自動小銃(アサルトライフル)の一般警察用モデルを使用し[注釈 2]、管制塔バルコニーに3人と滑走路上に2人が向かい合うように配置されていた。

占拠部隊のリーダーと副リーダーは安全の確認のために、用意されたルフトハンザドイツ航空のボーイング727へ入った。事前の計画では機内に警察官を配置して待ち伏せを行う予定であったが、直前で抗命事件が発生した(後述#人質救出作戦の失敗要因を参照)ために機内には誰もおらず、2名は案内役すらいないことを不審に思い、ヘリコプターへ走って逃げ戻った。その時、滑走路上の狙撃手の1人が発砲し、副リーダーは太ももを負傷したが、リーダーがヘリコプターまでたどり着き、警官側に応射した。これに対し警官側も応戦を始め、銃撃戦になった。