東京オリンピックの開会式が23日夜、東京の新国立競技場であり、1972年9月のミュンヘン五輪で殺害されたイスラエル選手・コーチ11人を追悼する黙祷(もくとう)が行われた。五輪開会式でミュンヘン大会の犠牲者を追悼するのは初めて。
ミュンヘン大会での事件の犠牲者遺族は長年、国際オリンピック委員会(IOC)など五輪関係者に対して、開会式で犠牲者を追悼するよう求めていたが、事件から49年後についに実現した。
事件でそれぞれ夫を失ったアンキー・シュピッツァーさんとイラナ・ロマーノさんは、東京での開会式に出席。「私たちは49年、闘い続けて、決してあきらめなかった」、「ついに報われた」と話した。
2人は、涙を抑えられなかったと言い、「この瞬間をずっと待ちわびていた」と述べた。